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CCNA資格対策!ネットワーク技術 〜IPアドレス編〜

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ネットワークやCCNAの学習を始めたときに最初に目にする用語の一つが、『IPアドレス』です。
当記事は、NWをこれから学習していこうという方に向けて『IPアドレス』について、わかりやすく解説します。

IPアドレス

IPアドレス(Internet Protocol address)とは、ネットワーク上の機器を識別するための番号のことです。
現実世界でも、郵便物を目的地に届けるためには宛先となる住所が必要なように、コンピュータの世界でもデータを目的地に届けるためには宛先となるIPアドレス(住所)が必要です。

IPアドレスは『192.168.1.1』のような0~255の数字を『 . 』(ドット)で区切り、4つ並べて表現します。
※画像はWindowsのコマンドプロンプトでipconfigコマンドを使い、IPアドレスを確認した例

ipconfig_IPアドレス

画面で確認すると、『192.168.1.1』のように、人間が普段使っている10進数での表記となりますが、実際はコンピュータで扱うデータはすべて『0』と『1』で表現される2進数であり、IPアドレスも例外ではありません。
つまり、IPアドレスは10進数で確認できますが、内部的には2進数で処理されています。
IPアドレスを2進数で表記すると32bit(32桁)で以下のように表現されます。

10進数 :192.168.1.1
2進数 :11000000.10101000.00000001.00000001

IPアドレスは8bitごと『 . 』(ドット)で区切られた単位をオクテットと呼び、左から順に第一オクテット、第二オクテットと呼び、第四オクテットまで続きます。

ネットワーク部・ホスト部

IPアドレスは前半部分がネットワーク部、後半部分はホスト部と呼ばれ、それぞれ役割が異なっています。
ネットワーク部とはひとつのコンピュータネットワークを識別するための値であり、ホスト部はひとつのコンピュータネットワークの中で個を識別するための値です。

ネットワーク部 :同じネットワーク内にあるコンピュータはネットワーク部が同じ数値
ホスト部 :同じネットワーク内にあるコンピュータはホスト部が異なる数値

私たちの住所とIPアドレスを比較してみるとわかりやすいでしょう。

ネットワーク部 ホスト部
大きな単位を識別するための部分 単位の中で個を識別するための部分

実際の住所 :大阪府大阪市北区梅田 2-2-2
IPアドレス :192.168.1.1
2進数表記 :11000000.10101000.00000001.00000001

上記の例では、ネットワーク部24bit ホスト部8bit となっていますが、この配分は必ずしも24対8だとは限りません。そのアドレスによって異なり、8対24や16対16、30対2など様々です。

サブネットマスク

IPアドレスだけをみても、どこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部なのかわかりません。
そこで、一般的にネットワーク部とホスト部の境目を示すための数字として『サブネットマスク』がIPアドレスとセットで表記されます。
※画像はWindowsのコマンドプロンプトでipconfigコマンドを使い、サブネットマスクを確認した例

ipconfig_サブネットマスク

サブネットマスクはIPアドレスと同じ32bitの2進数で構成され、表現方法も8bitずつ『 . 』(ドット)で区切り、ネットワーク部をビット『1』、ホスト部をビット『0』で表現します。
例えば、192.168.1.1のサブネットマスクは次のように対応しています。

IPアドレス        :192.168.1.1
サブネットマスク     :255.255.255.0
IPアドレス(2進数)    :11000000.10101000.00000001.00000001
サブネットマスク(2進数) :11111111.11111111.11111111.00000000

ネットワーク部 ホスト部

プレフィックスレングス

サブネットマスクがネットワーク部とホスト部の境目を示す。とお伝えしましたが、
同じ役割を持つ、プレフィックスレングスというものもあります。

192.168.1.1 /24

IPアドレスの後ろにある『/24』がプレフィックスレングスです。ネットワーク部が24bitであるということを示しています。IPアドレスは32bitであるため、残り8bitがホスト部であることがわかります。
このようにIPアドレスとセットで表記される点もサブネットマスクと共通しています。

コンピュータにネットワーク部とホスト部の情報を入力するときはサブネットマスクで入力することが大半ですが、情報を確認する場合の出力としては、プレフィックスレングスの形式で表現されることも少なくありません。
※画像はCiscoルータでshow interfaceコマンドを使い、IPアドレス、プレフィックスレングスを確認した様子

show_interface_プレフィックスレングス

クラスフルアドレス

IPアドレスの中にはクラスフルアドレスというアドレスが存在します。
ネットワークの規模によって、クラスA、クラスB、クラスCと分けられており、ネットワーク部とホスト部の境目がクラスにより決まっています。クラスAは『/8』クラスBは『/16』クラスCは『/24』となります。また、どのクラスに属するかはIPアドレスの第一オクテットの数値により決定します。詳細は以下の表の通りです。

  第一オクテット(10進数) 第一オクテット(2進数) サブネットマスク
クラスA 0~127 0******* 11111111.00000000.
00000000.00000000
ネットワークの数・・・128個(ネットワーク部8bit)
ネットワーク内で利用可能なアドレス数・・・16,777,216個(ホスト部   24bit)
クラスB 128~191 10****** 11111111. 11111111.
00000000.00000000
ネットワークの数・・・16,384個(ネットワーク部16bit)
ネットワーク内で利用可能なアドレス数・・・65,536個(ホスト部    16bit)
クラスC 192~223 110***** 11111111. 11111111.
11111111.00000000
ネットワークの数・・・2,097,152個(ネットワーク部24bit)
ネットワーク内で利用可能なアドレス数・・・256個(ホスト部    8bit)

クラスフルアドレスの例

クラスAアドレス
 10.0.0.1 /8

クラスBアドレス
 172.16.0.1 /16

クラスCアドレス
 192.168.0.1 /24

ネットワーク部 ホスト部

グローバルアドレスとプライベートアドレス

IPアドレスは32bitの2進数、つまり桁数の決まった数字なので、表現できる番号の数にも限りがあります。
具体的には、全部で232(42億9496万7296)個までしか用意することができないため、一人あたりひとつのIPアドレスを付与しようとすると足りなくなってしまいます。
そのためIPアドレスは個人が勝手に利用できるものではなく、『ICANN』と呼ばれる非営利法人が世界的に管理しています。

約43億個あるIPアドレスのうち、インターネットで使用可能なアドレスの事をグローバルアドレスと呼びます。
日本では『JPNIC』とよばれる組織が、日本におけるグローバルアドレスを管理しており、そこから通信事業者である『ISP』(インターネットサービスプロバイダ)に割り当てられ、利用者はISPと契約することで利用できるようになります。この点は電話番号と似ています。

また、グローバルアドレスは限りがありますので、節約するためにプライベートアドレスが利用されています。
プライベートアドレスとは、インターネットでの通信に利用できないIPアドレスのことです。
社内や家庭内などのLAN(ローカルエリアネットワーク)内での通信で利用されており、インターネットと通信する際はNAT(ネットワークアドレス変換)という技術を用いて、グローバルアドレスに変換して接続します。

プライベートアドレスは以下の範囲内で利用することができます。

クラスA 10.0.0.0~10.255.255.255
クラスB 172.16.0.0~172.31.255.255
クラスC 192.168.0.0~192.168.255.255

以上、IPアドレスについてご説明させて頂きました。

CCNA試験ではルーティング、スイッチング、セキュリティなど様々な知識が問われます。
どの項目においてもIPアドレスの構造を正しく理解していることがとても重要です。
当記事で紹介した内容を最初にしっかりと理解しておきましょう。

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