当記事ではAWSの概要についてご紹介いたします。
Amazon Web Servicesとは
Amazon Web Services (AWS)は、クラウドコンビューティングサービスの1つです。インターネット通販で有名なAmazon.comが、自社のノウハウを活かして提供しています。
AWSでは、コンピューティング、ストレージ、データベース、分析、ネットワーキング、モバイル、開発者用ツール、管理ツール、IoT、セキュリティ、エンタープライズアプリケーションなど、多岐にわたるサービスが用意されています。AWSのさまざまなサービスを組み合わせれば、あらゆるアプリケーションやインフラを実現することができます。
200種類以上のサービスを提供
AWSでは、実に200種類以上(2022年6月現在)のサービスが提供されています。これは、おおよそITに関わるインフラのほとんどが提供されているということです。サーバーやネットワークをはじめ、それに必要なソフトウェアや、セキュリティのための仕組み、開発ツール、アカウント管理のための仕組みなど、ありとあらゆるサービスが借りられます。AWSは、ITに関わるインフラを幅広く提供しているのです。
AWSには、マネジメントコンソールと、マネージドサービスという、誰でも簡単にサービスを利用できる仕組みが用意されています。また、セキュリティ的に安心できる仕組みも備わっています。
マネジメントコンソール
マネジメントコンソールは、Webブラウザ上のGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)で、AWSを操作できる画面です。サービスごとに固有の画面(ダッシュボード)が用意されており、サービスの設定、操作するリージョンの選択、AWSアカウントの管理、必要なサービスやリソースグループ(リソースとは、各種インスタンスなど稼働中のサービスや、容量を確保したサービスなど利用中のもの一式のこと)の検索と使用、AWSの資料を見るなどさまざまな管理が行えます。一部サービスでは未対応ですが、多くのサービスで日本語にも対応しています。スマートフォン対応の「Amazon Consoleモバイルアプリ」もあり、リソースの状態を外出先で確認できます。
マネージドサービス
マネージドサービスは、AWS側で管理されるサービスの総称です。仮想サーバーのAmazon EC2はマネージドサービスではありませんが、ストレージのAmazon S3、DBサーバーのAmazon RDSなどが代表的なマネージドサービスです。マネージドサービスでは、パックアップやアップデートが自動で行われます。管理者が手動で行う必要はなくなるため、管理の手間が削減されます。
とくに、Amazon S3の場合は、菅理者が設定せずとも、ストレージの容量が自動的に増えていくのは大変便利です。その代わり、アップデートしたくないのにソフトウェアがアップデートされてしまったり、想定以上にストレージ容量が増えて料金がかさんでしまったりしますから、完全にお任せというわけにはいきません。それでも作業をしなくてよいのは、大きく負担が減ります。
セキュリティ的に安心できる仕組み
「クラウドは、なんとなくセキュリティ的に不安」と思われるかもしれません。オンプレミス(自社でサーバーなどのインフラを維持・管理して運用すること)と、レンタルやクラウドを比較した場合、セキュリティ的にどちらが優れているのかは難しい問題です。なぜなら、オンプレミスの場合は、「自社の基準」であるからです。
サーパーを安定して運用するには、サーバーをファイアウォールで守る、OSやソフトウェアのアップデートをして脆弱性対策をするなど、日々のセキュリティ管理が欠かせません。意識の高い管理者が運用している場合はよいのですが、ノウハウがない人が運用すると作業漏れが発生したり、長い間アップデートをせずに放置したりと、危険な状態になります。
一方、AWSのマネージドサービスでは、ソフトウェアのアップデートなどの運用作業は自動で行われるため、常にセキュアな状態で運用できます。また、各種基準を満たすように運用されているので、「一定の水準」が期待できます。自社にきちんと管理できる専門家がいないのであれば、AWSのほうが圧倒的にセキュリティ的に安全であると言えるでしょう。
使った分だけ支払う従量制
AWSは、サービスによって料金体系が異なります。ただし、ほとんどのサービスで共通しているのは、従量制を導入しており、「使うサービス1つあたりの金額 + 使った分」の課金形態が多いということです。
そのため、「将来増えるから、それに備えて多めに借りておこう」「イベント時にアクセスが増えるから、それを見越して借りておこう」といった「将来必要だけれど、現在必要のない分」を借りる必要はありません。必要最低限で始めて、必要になったら増やせばよいのです。
所属する組織によっては、従量制の予算が取りづらいかもしれません。その場合は、ある程度の試算をして通すケースが多いです。つまり、ムダな分を借りる必要がないので、コストダウンにつながります。また、あとから増やすこともできるので、「将来どのくらい必要になるか」を見積もる作業からも解放されます。
AWS 料金のメリット・デメリット
「従量制で使った分だけ払えばよい」と聞くと、大変安く上がるように感じるかもしれませんが、そうとも限りません。イニシャルコスト(最初の費用)がかからない代わりに、ランニングコスト(運用のコスト)がかかるため、場合によっては、定額制のレンタルや、自社で用意したほうが安い場合もあります。また、いくら従量制とはいえ、最低料金が存在する料金体系もありますし、借りたサービス1つあたりで料金がかかる体系もあります。
イベントやキャンペーンのように、突発的にアクセス数が増えるようなWebサイトの場合は、AWSの柔軟性が大きなメリットになりますが、あまり変動のないシステムでは、そこまでのメリットがないかもしれません。こうした変化に乏しいケースの場合、注目すべきは、従量制よりも人件費の削減でしょう。
AWSは、運用を任せることができるため、管理する人がいりません。また、技術的知識が浅くても使用できるサービスが多いため、專門的な知識が不要です。社内で、専門的な技術者を育て、雇い続けることを考えれば、トータルでは安くなります。
いかがでしたでしょうか。
ぜひお勉強の際にお役立て下さい。