当記事ではゲートウェイ冗長化用のプロトコルの1種であるGLBPについてご紹介します。
GLBPとは
HSRPやVRRPは、ゲートウェイの冗長性は確保されますが、デフォルトの実装では、Standby(Backup)ルータが活用されることはありません。設定を行えば、負荷分散は可能ですが、設定が大変になります。
こうした、従来型の冗長ルータプロトコルにおける制限を解消する為に開発されたのが、GLBP(Cisco独自)です。
GLBPでは、1つの共通するGLBPグループ全てのデバイスが分担して転送処理をするロードバランスの機能を標準的に備えています。
GLBPでは、HSRPやVRRPのように、負荷分散をする際に、複数のグループを作成し、おのおののグループにアドレスを割り振るという方式ではなく、1つのGLBPグループ、1つの仮想IPアドレスのみで負荷分散を実現できます。
そうなると、クライアントに設定するゲートウェイアドレスも1つでよくなります。
では、どのように負荷分散をするのかというと、クライアントに全て同じゲートウェイアドレスを設定してしまうと、IPアドレスでの負荷分散はできなくなります。
GLBPでは仮想MACアドレスを複数用いて負荷分散を実現させます。
GLBPでは、AVG(Active Virtual Gateway)、AVF(Active Virtual Forwarder)という役割を担ったルータがそれを行っています。
AVGとAVF
■AVG(Active Virtual Gateway)
AVGはGLBPグループに1つ存在し、グループ内のルータに仮想MACアドレスを割り当てます。
■AVF(Active Virtual Forwarder)
仮想MACアドレスを割り当てられたルータをAVF(Active Virtual Forwarder)と言います。
AVFは、HSRPやVRRPのActiveデバイスと同様にパケットの転送処理を行います。
また、GLBPグループは1グループあたり最大4個までの仮想MACアドレスをもつことができます。
■AVGの選出方法
HSRPと同様のメカニズムを使用して選択されます。
GLBPルータプライオリティは、1~255の範囲で(デフォルトは100)、最高のプライオリティを持つルータがAVGに選出されます。
■AVGの役割
クライアントからのARP要求に対する返答を返します。その際、デフォルトではラウンドロビン(循環)でMACアドレスをクライアントに伝えます。
いかがでしたでしょうか。
ぜひお勉強の際にお役立て下さい。