今回は、データセンターなどの大規模なネットワークで採用することが増えているリーフ&スパイン型ネットワークについて紹介します。
2020年2月に改訂されるCCNAの新試験の範囲にも含まれる項目となっています。
従来のネットワークの基本型は、コア・ディストリビューション・アクセスの3階層モデルでした。
3階層モデルは、コア→ディストリビューション→アクセスというように、階層を縦に流れるトラフィックを想定したモデルです。
しかし、近年のデータセンターでは、仮想化が進み、サーバの配置において、物理的な制約がなくなってきていること、複数のサーバが連携して提供するサービスが増えてきていることから、単純に階層を縦に流れるトラフィック(図1-①)だけではなくなってきました。
サーバ同士が連携する際に、各サーバが同じラック内に配置されている場合は、ToR(Top of Rack)スイッチを経由するだけで通信が可能ですが、異なるラックに配置されている場合、ディストリビューション層デバイス、場合によっては、コア層デバイスまでさかのぼってアクセスする必要が出てきます。
つまり、データセンター内で、縦ではなく、横のトラフィック(図1-②)が増加しているのです。
そこで生まれたのが、リーフ&スパイン型ネットワークです。
リーフ&スパイン型ネットワークは、リーフスイッチとスパインスイッチの2階層で構成されるネットワークです。
各リーフスイッチは、すべてのスパインスイッチと、各スパインスイッチは、すべてのリーフスイッチと接続されていますが、リーフスイッチ同士、スパインスイッチ同士は接続しません。
これにより、サーバ間の通信が発生した場合、1~2ホップで通信できるようになり、レイテンシ(遅延)を一定に保つことができるようになります。
また、リーフ&スパイン型ネットワーク内で、スイッチング容量が不足した場合、スパインスイッチを追加することで対処でき、サーバを接続するポートが不足した場合、リーフスイッチを追加することで対処が可能となっていて、拡張性にもすぐれています。
Ciscoが提供するSDNソリューションであるACIを支える主要な要素としても採用されています。
いかがでしたでしょうか。
お勉強の際にお役立てください。