今回の記事は3つのデータ転送方式についてのお話しです。
データ転送方式とはどのように宛先を指定するかということを示すものです。
使用するアプリケーションやプロトコルによって通信相手の数が異なってくるため、その数に合わせて3種類の通信方式が主に使い分けられています。
ユニキャストは1台の端末を指定しデータ転送する方式で、もっとも標準的な通信といえます。
受信側では、パケットの宛先情報を確認して自分宛であると判断すると、上位層にデータを引き渡します。
自分宛でないと判断した場合は、受信パケットを破棄します。
WEBサイトの閲覧、メールの送受信など様々用途で使用されている通信方式です。
マルチキャストはデータ受信を希望する複数台の端末に送信する際に使用されます。この複数台をグループとし、グループ用のアドレスを定義します。
送信の際は、グループアドレス宛にデータを転送され、事前にグループアドレスを知らされていた端末はデータの受信ができ、知らされていなかった端末は受信ができません。
最近では、ネットワーク上の動画配信やテレビ会議システムなどで使用するなどの例があります。
マルチキャストのIPアドレスの範囲は「224.0.0.0 ~ 239.255.255.255」となっています。
このアドレスは宛先アドレスとしてのみ使用され、送信元アドレスは常にユニキャストアドレスを使用することに注意してください。
このマルチキャストグループIDはIANAによって割り当てを管理されていますが、Well-Knownアドレスとして以下のようなものがあります。
ブロードキャストは1つのネットワーク内の不特定多数の端末(全端末)に対してデータを送信する際に使用されます。
ブロードキャストを使用する代表的なプロトコルとして、ARP、RIPv1などがあります。
また、ブロードキャストはルータを越えることが出来ないため、異なるネットワークにはブロードキャストが転送されません。
なお、ブロードキャストを表すMACアドレスは「FF-FF-FF-FF-FF-FF」となります。
ブロードキャスト通信は、ユニキャスト通信を実現する上で最初に行われる大切な通信であるとも言えます。
いかがでしたでしょうか。
ぜひお勉強の際にお役立て下さい。