Web業界では、必ずしも資格が有利になるとは限りません。これにはいくつか理由があります。
・業界の進歩が劇的に速く、試験内容が最新の流行に対応できていない
・業界で活躍している現役の人で、資格を最重要視している人が少ない
例えば、あなたが在宅ワーカーに仕事を依頼することになったとします。「実績はないが、資格はある」という人と、「資格はないが、実績は豊富だ」という人、どちらに仕事を依頼したいでしょうか?
資格の他に何が重要か
冒頭でもお話ししました通り、Web業界では「資格を持っている=Webのスキルを保有している」ということにはなりません。自身のWebのスキルを証明する唯一の方法は、Web制作の実績をまとめたポートフォリオをしっかりと作ること、これしかありません。
Web制作の実績と言われても、未経験者はどうすれば良いのか、と思う方もいらっしゃると思いますが、実在する商業用サイトのクオリティーを仮想で表現できていれば、十分見込みがあります。いくつか仮想サイトを制作して、ポートフォリオにまとめてみましょう。
また、Web制作はWordやExcelと違って、アプリケーションを学べばいいというわけではありません。それはスタートラインに立ったにすぎません。例えば、Webデザイナーを目指しているのに、デザインの基礎を知らない人を多く見かけます。
筆者が技術面接官をしていた時、Webデザイナーを目指している方に質問をしたことがあります。
「普段、デザインのスキルを上げるために何をしていますか?」
「あなたのお気に入りのフォントは何ですか?」
残念ながら、しっかりと答えられる方は多くありませんでした。
アプリケーションを学ぶことは比較的簡単にできますが、デザインを学ぶためには、デザインの本質を学んだ人にダメ出しをしてもらうことも大切です。たくさんの人に自身の制作したデザインを見てもらうようにしましょう。
Web業界は自身が努力をすれば、必ず応えてくれます。多くの努力をした人が採用されます。しっかりと自分のスキルをアピールしていきましょう。
本当に資格取得は必要ないのか?
さて、冒頭で「実績はないが、資格はある」という人と「資格はないが、実績は豊富だ」という人を比較しましたが、自分は「資格もあるし、実績もある」という人になりたいと考える人もいることでしょう。そんな方には、国家資格である「ウェブデザイン技能検定2級」をおすすめいたします。
ウェブデザイン技能検定とは
ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度の一つとして、厚生労働省より職業能力開発促進法第47条第1項の規定に基づき指定試験機関の指定を受け、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施するものです。
試験は実技および学科試験で実施され、関連国際標準規格等に基づきウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。1級の合格者には厚生労働大臣より、2級及び3級の合格者には当協会理事長より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。
試験日程や検定料について、詳しくはウェブデザイン技能検定公式サイトをご覧ください。